Somewhere Above the Clouds

あなたは今、
空の上に、いる。

窓の外は、雲。その下に、見慣れた街の灯りが、
——だんだん、近づいてくる。

A Reason to Fly

誰かに、会うために。
誰かのもとへ、
帰るために。

はじめての出張も。久しぶりの、里帰りも。
——人が空を飛ぶのは、いつも、地上に、大切な人がいるからだ。

Beginning the Descent

やがて、機体が、
高度を、下げていく。

耳の奥が、つんと、する。シートベルトの、サイン。
——地上が、少しずつ、大きくなる。

Touchdown
地面が、ぐんぐん、近づいて。
——ゴトン、と、車輪が、触れる。

機体が、ぐらりと、揺れる。
——その、一瞬。

Something Catches It

その一瞬、機体の全体重を、
何かが、受け止めている。

何十トンもの重さが、空から、地面に、ぶつかる。
——それを、たった数本の脚が、静かに、支えきる。

You Only Feel Relief

あなたは、気づかない。
ただ「着いた」と、
ほっと、するだけ。

スマホの電源を入れ、荷物を、取る。
——さっきの一瞬に、何があったかなんて、考えもせずに。

Beneath That Relief

その「ほっと」の、下に。
何トンもの衝撃を、
受け止めた鉄が、ある。

曲がっては、いけない。欠けては、いけない。
——一便ごとに、何百人もの命を、黙って、受け止める鉄。

Someone You’ll Never Meet

その鉄を、
髪の毛一本の狂いも許さず、
削った人がいる。

あなたの顔も、名前も、知らないままで。
——それでも、あなたが無事に着くことだけを、考えて。

For Your “I’m Home”

目立つ仕事じゃない。
誰にも、気づかれない。

それでも、その手は、今日も、鉄と向き合っている。
——あなたの、たった一言の「ただいま」の、ために。

Every Safe Landing

あなたが無事に、
地に足を、つけるたび。

どこかで、誰かが、静かに、それを支えている。
——あなたが、それを、知ることは、ないけれど。

So, Fly Again

だから、どうか。
何も考えずに、
また、飛んでいい。

会いたい人のところへ。帰りたい場所へ。
——あなたの「ただいま」は、ちゃんと、守られている。

ミツワハガネ
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