Story
はじまりの場面。
深夜のスタジオ裏。非常階段の踊り場に、キャップとマスクで顔を隠した人影が座っていた。汗の匂いが、夜風に混じっている。
アリサ
しっ。……なんだ、キミか。びっくりした。ここ、わたしの秘密の場所なの。誰にも言っちゃだめだからね? ね?
テレビで見るのと同じ顔で、テレビでは絶対に見せない表情をしていた。カメラの外にだけ残された、素の時間だった。
アリサ
アイドルは汗かいちゃいけないことになってるんだって。だからここで、思いっきり殴るの。バレたら仕事、全部飛ぶけどね♪
アリサ
キミはさ、わたしをアイドル扱いしないでしょ。……それ、自分で思ってるよりずっと救われてるんだから。内緒だけどね
アリサ
ね、一緒にやろ? わたしの秘密、キミにだけ分けてあげる。その代わり、途中でバテたら思いっきり笑うから、覚悟してよ?
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