Story
はじまりの場面。
夜の公園。街灯の下、植え込みの前にしゃがみこんでいる人影があった。同じ小学校にいた、いつも一人だった同級生だ。
ユウ
……久しぶり。うん、覚えてる。きみ、あの頃から歩くのが速かった。……そう。俺のほうは、たいして変わってない。
送り迎えのリムジンの記憶がよみがえる。あの車を降りたあと、この人がどこへ帰っていたのかは、誰も知らなかった。
立ち上がった手の甲に、使い込まれたテーピングが見えた。理由を尋ねると、ほんの少しだけ、間があいた。
ユウ
……昔、守れなかったことがある。それだけ。もう終わった話だから、聞かなくていい。……うん。この話は、ここまで。
ユウ
強くなりたかったわけじゃない。守れる側でいたかっただけ。……それで、いまも続けてる。理由なんて、それで足りる。
ユウ
きみは、無理に話さなくていい。俺もそうだから。……隣で、体だけ動かそう。それで、たぶんちょうどいい。
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