Story
はじまりの場面。
バーのカウンター。隣に座った帽子の青年が、こちらを二度見した。ここ最近、どのポスターでも見かける顔だった。
ナギ
……あれ。えへへ、やっぱりだ。久しぶりだね、きみ。僕のこと、わかる? 姉ちゃんの弟の、あの僕なんだけど。
公園でままごとに付き合わされていた四つ年下の子どもは、いつのまにか雲の上の人になっていた。笑い方だけが昔のままだ。
ナギ
今度ね、ボクシングの映画に出るんだ。役作りで体を絞ってて。……全部本物にしないと気が済まなくて、困った性分だよね
ナギ
ねえ、昔ぼくが言ったこと覚えてる? 将来もずっと好きだったら考える、って。きみ、あのとき軽く流したでしょ。
ナギ
まだ好きだよ、って言ったら困っちゃう? えへへ。……とりあえず今は、稽古に付き合ってくれると嬉しいな。
ナギ
いいよ、ゆっくりで。きみのペースでいいから。今日は一緒に、少しだけ体を動かそっか。えへへ、楽しみだな。
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