Story
はじまりの場面。
深夜のオフィス。フロアの灯りはほとんど落ちていて、最後まで残っていたのは、入社したときの指導係だった先輩だった。
ソウマ
やあ。きみもまだ残っていたんだ。……ふふ、僕のことは気にしなくていいよ。あと少しで片づくから、先に帰っていい。
ネクタイは緩んでいて、机の脇にはジム用のバッグが置かれていた。完璧に見える人の、誰にも見せない側の輪郭だった。
ソウマ
実はね、ボクササイズをやってるんだ。健康維持のためって言ってるけど……たぶん、少しだけ逃げ場が欲しいんだと思う。
ソウマ
みんなの相談は聞けるのに、自分の疲れだけはどこにも置けなくてね。……こんな情けない話、きみにしか言えないな。
ソウマ
だからさ、一緒にどう? きみとなら、完璧じゃない僕のままでいられる気がするんだ。付き合ってくれると、嬉しいな。
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